今年の台風は、九州や関西地方ばかりに上陸して、深刻な被害を出していた。

関東や東北はいまだ甚大なる被害なしの状況で安穏としていたが、ついに秋を前にして、台風15号が関東に上陸。東京、神奈川、千葉、埼玉と広範囲で被害を与えた。

特に千葉県は大きな被害を被った。

長期停電となり、残暑、大雨と被害を拡大させた。

千葉の停電は「的外れな議論」が多すぎる

東電は、当初、2日で停電全面復旧を目指す見通しを立てた。

しかし、街中の電柱が倒れ、山中の鉄塔が倒れている映像を見て、あれを2日で残骸除去して、建て直すなど、素人目にも不可能だと思った。

ただ、東電がこうした大規模災害に際して、隠し玉でも持っているのではと、ぼんやりと期待感を持った人は多いだろう。

よく考えてみれば、電柱や鉄塔が倒れて、電線が切れたというのならば、それらを立て直す時間はなくとも、海底ケーブルのような太いケーブルを通して、電力供給などいとも簡単にできるだろうと想像してみた。

しかし、実際には倒れた電柱や鉄塔を片付けて、一本一本、立て直して、電線を張り直して、電気復旧を目指したわけだ。

報道にもある通り、過去にこれほどの大規模災害はなかったというわけだ。

東日本大震災のときも、わずか一日で電気復旧となっては、教訓も得られなかっただろう。

今後は、こうした広範囲に渡る電力設備の喪失を想定した、早期復旧策を対策として盛り込むことになろう。